◆ 地道に働く私が感じた違和感

こんにちは、龍八(リョウヤ)です。
製造業で働きながら、家業の出荷や検査にも携わる毎日を送っています。
仕事柄、「モノを見る目」には自信があります。
そんな私のもとに、ある日SNS広告で流れてきた副業案――
「硯(すずり)を買って転売するだけで利益が出る!」
一瞬、伝統文化の香りもあって魅力的に見えました。
しかし、調べていくうちにこれは“副業”という名を借りた
詐欺構造ではないかと感じたのです。
◆ 「硯で稼ぐ」というビジネスモデルの中身
まず、この案件の仕組みを整理してみましょう。
・高級硯を数十万円で購入する
・「数か月後に中国富裕層が買い取る」と説明される
・「あなたも在宅でできる」「限定枠」などの甘い誘い文句
・購入後、転売サポートがあると案内される
表面上は“文化資産への投資”という体裁を取っていますが、実際に調べると――
- 硯の市場価格は数千円〜数万円程度が一般的
- 転売できる市場は存在せず、需要も限定的
- 「専門ルート」や「買取保証」は存在が確認できない
つまり、最初にお金を出した時点で出口が存在しないビジネスです。
◆ 松本悠里という名前が浮かぶワケ
この案件で特に目立つのが、「松本悠里」という人物。
SNSやLINEなどを使い、丁寧な言葉遣いで接近してくるケースが報告されています。
被害者の多くは、次のような流れを辿っています。
1️⃣ SNSで「副業」「資産運用」などの投稿を見つける
2️⃣ DMやLINEでやり取りを重ねて信頼関係を築く
3️⃣ 「特別枠がある」「成功者が続出している」と言われる
4️⃣ 数十万円の硯を購入
5️⃣ 転売を待っても音沙汰なし、サポートも途絶える
この“松本悠里”という名は、他の詐欺案件でも再利用されていると指摘されています。
つまり、人物名そのものがブランド化された偽装アカウントの可能性が高いのです。
◆ 現物があるのに“安心できない”理由
硯が実際に届くため、「モノがあるから詐欺ではない」と思ってしまう人も多いでしょう。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
✅ その硯は本当に高額な価値があるのか?
✅ 誰が、どのルートで、どんな価格で買い取るのか?
✅ 転売市場が実際に存在するのか?
この3つに明確な答えがない限り
それは投資ではなく“高額な買い物”でしかありません。
実際、SNS上ではこうした声が相次いでいます。
「35万円で硯を買ったけど、転売できずに放置」
「グループから連絡が途絶えた」
「住所を調べたら運営会社が存在しなかった」
現物があるのに安心できない――
これが、“物販系詐欺”の最も巧妙なポイントです。
◆ 製造業の私が感じた“ビジネスとしての破綻”

私はモノづくりに関わって30年。
製品は「原価」「市場価格」「流通ルート」で価値が決まると身に染みて知っています。
この硯ビジネスには、その3本柱がどれも欠けています。
- 原価がわからない(実際には安価な石材)
- 市場価格が存在しない(比較対象がない)
- 流通ルートが不明(誰が買うのか曖昧)
つまり、成立しない“商品投資”。
製造現場でいうなら、検査基準のない製品を高値で売るようなものです。
そんなものが長続きするはずがありません。
◆ 詐欺に共通する“心理の罠”
副業詐欺にはいくつかの共通点があります。
硯投資もまさにその典型。
・「限定」「特別」「あなた専用」という言葉で優越感を刺激する
・「文化」「伝統」という安心ワードで警戒心を下げる
・「現物がある」ことで信頼を錯覚させる
私も昔、ブログ教材で同じように「これで稼げる」と言われ、数十万円を失いました。
その経験から断言します。
“焦っている時ほど、冷静な判断ができない。”
これが、詐欺の最も恐ろしい仕組みです。
◆ 副業選びで私が意識している3つの基準
私のように家族を養いながら働く人にとって、副業は夢ではなく現実の選択肢です。
だからこそ、次の3つだけは絶対に守るようにしています。
① 仕組みを自分で説明できるか?
→ どうやって利益が出るのか、口で説明できないものは危険。
② 運営者の実在性を確認できるか?
→ 住所・代表者・法人登録を必ずチェック。
③ すぐに成果が出ると言われないか?
→ 「短期間で高利益」は、99%が“釣り文句”です。
◆ 私がたどり着いた「地に足のついた副業」
結論として、私は派手な投資系よりも
コツコツ続ける積み上げ型の副業を選びました。
・AIツールを使った記事作成やコンテンツ運営
・クラウドワークスでのライティング受注
・自分のブログを通じたアフィリエイト収益
これらは一見地味ですが、少しずつ成果が積み上がる。
リスクが低く、スキルが残る。
結果的に、長く続けられる“本当の副業”です。
◆ 硯副業に手を出す前に、冷静な一呼吸を

「楽して稼げる」「伝統資産で儲かる」――
そんな言葉が並ぶと、つい心が動きます。
しかし、そこで一度立ち止まってほしい。
「それは本当に投資なのか?」
「買った後の出口が明確か?」
「自分で理解できる仕組みか?」
この3つを確認するだけで、多くの詐欺を避けられます。
副業とは、人生を豊かにするための“もうひとつの働き方”。
焦らず、確実に進めば必ず光は見えてきます。
✍️ 執筆:龍八(リョウヤ)/48歳 製造業&家業従事
「伝統の名を借りた詐欺より、地に足のついた努力こそ本当の資産だ。」

